こども学『世界自然遺産講座①~奄美の自然環境のすばらしさと地域回帰』

9月19日。

大正大学地域創生学部の大学1年生が、奄美に実習にやってきました!

男子4名、女子4名の総勢8名!


みんな大学一年生なので、18・19歳なんですね。

うーん、若い!


そんなみんなと一緒に子ども学を開催しました。


今日は、奄美の写真家、浜田太さんのお話「奄美の自然環境のすばらしさと地域回帰」と題し、奄美の色々なお話をお伺いしました。


浜田さんといえばアマミノクロウサギ。

アマミノクロウサギの写真をはじめ、奄美の希少動物、奄美の植物をたくさん写真に残していらっしゃいます。

浜田さんは、昔、観光でいらっしゃった方に『奄美はどこに行ったら楽しいですかねえ』と聞かれた時に『うーん、どこですかねえ・・・』と言ったところ、その方に『地元の人がこれじゃあダメだよ』、と捨て台詞のように言われ、そこでハッとしたそうです。

そこから自分にとっての奄美とは何かを考え出したそうです。それまでは、山はハブがいるし、海は沖縄の方がきれいだろうし、とマイナスなイメージばかり考えていたそうですが、そうではなく、目の前にあるものをもっと知ろう!と思い、自分なりに奄美を知っていこうとされたそうです。

ある日、金作原の林道でアマミノクロウサギと出会い・・・興奮!!!

森に入ってアマミノクロウサギの自然の姿を残そう、とそこからアマミノクロウサギにのめり込んでいかれたそうです。そして、自分にはこれしかない、と思いだしたそうです。

山の水。

この水が回ることで生き物が生きられます。

奄美の山の養分を含んだ水が川に流れ、その川にいろんな生き物が育ち、その水が里へ行き、田んぼや畑の水となり、それを食して人間がいる。そして水は川から海岸へ行き、そこでマングローブが育つ。その水は海へ流れ、魚や海の生き物が生きる。その海の水が天へ上り、雨を降らせ山に水をもたらす。この繰り返しがいろんな生態系を守っているのです。


環境汚染により、このサイクルが崩れると、人間はもとよりどんな動物も生きていくことが困難になります。生態系を壊さないように環境を守っていく、それが大切な事だと思いました。

そして話はアマミノクロウサギの話へ。

アマミノクロウサギは600万年前に出現したのではないか、と言われているそうです。人間よりも前です。びっくり!アマミノクロウサギは世界中で奄美大島と徳之島にしか生息していません。地殻変動で中国大陸やユーラシア大陸から分離して奄美など色々な島はできたそうですが、奄美大島には湯湾岳、徳之島には井ノ川岳など高い山があったからアマミノクロウサギは残っているという説があるそうです。


そして、アマミノクロウサギはアナウサギの一種で、ノウサギではないそう。

なので、『あまみ・のくろうさぎ』、ではなく、「アマミノクロウサギ」なんですって。

アナウサギは日本ではこのアマミノクロウサギしかいないそうです。

子どもを穴の中で育てるからアナウサギなのかなあ・・・(質問すればよかった!!!)

そう、アマミノクロウサギは穴を掘って、そこに子どもを生むのです。

それも、自分の巣とは別の場所に穴を掘り、子育てをするところを作るのです。

ハブや他の動物に狙われないようにそうしているのではないかと考えられているそうです。

2日に一回、子育て巣にやってきて穴を掘って授乳して、穴を閉じて自分の巣に帰る、これを約40日間続けるのだそうです。

驚きだったのが、ウサギって自分の糞を食べるそうなんです!知ってました???落ち葉、枯葉を食べ、おなかの中で発酵させて栄養を溜めて、糞として食べるそうです。


糞をしたり、アマミノクロウサギたちが遊んだりするのが、山の中の林道。

この林道はウサギたちのフィールドです。ですので、壊さないようにしなきゃダメです!


今、ノネコ問題や、色んな問題が起こっています。

アマミノクロウサギはこう訴えているのではないかと、浜田さんは言います。

『僕達も一生懸命子の森で生きているんだよ、この森をもっと大切にして!』


アマミノクロウサギだけではなく、たくさんの希少動物、希少植物が奄美の森にはたくさんいます。たくさんの動植物、彼らは、うまく環境を使って生き延びてきています。彼らの生態を知ることで奄美の自然を守ることができます。人間と動物と自然。共存していけるようにできれば最高です!

そして、世界自然遺産の役割とは、地球の財産として世界からお墨付きを頂いた代わりに、未来へ大切につないでいかなければならない、という責務である、とのことでした。確かにその通りです。

ただ世界自然遺産に登録するのを待つのではなく、私達奄美に住んでいる人たちもこの奄美の雄大な自然を守っていくためにどうしなければいけないのか、意識を持って自然と接することが大切なのかもしれません。


時代は移り変わっても、自然はそのまま残る、そんな奄美になっていけたらいいですね。


浜田さん、貴重なお話、写真、映像、お忙しい中お越しいただき、ありがとうございました。これからもすばらしい奄美の自然を残し、伝え続けてもらいたいです!

最後はスミソニアン博物館での授賞式の映像を見させていただきました♫受賞、おめでとうございます!



なぜまちモーレ

東京・巣鴨にある『座・ガモール』の奄美店、なぜまちモーレ。 奄美大島の商店街の案内や奄美の物産・お土産を紹介したり、 『ちょっと勉強したい』『仕事する場所がない…』 といった方にスペースをお貸ししたりしたいのです! 2018年2月19日OPEN!ぜひ遊びにいらしてください♬

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